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ては民間利用に対する公式の情報提供機関とされるCSIC(Coordinational Infomation Cen−ter of Russian Space Forces)他からは種々のGLONASS情報がIntemet,BBS等の形で提供されるようになるなど、GLONASSの国際的利用の認識と利用環境が整いつつある。実用レベルのGLONASS受信モジュールや受信機の発表、発売も1996年になって相次いで行われている。
当報告書ではGLONASSシステムと受信システムの動向と、GLONASSが実用化段階になったため早急に明確にする必要がある測地系、時刻系、周波数干渉などの課題について述べる。特にGPS測地系(WGS−84)とGLONASS測地系(PZ−90)の問題に関して最近発表された実用的な受信システムによる測定例を示して報告する。
2. システムの現状
GLONASSシステムはGPSと同様、PPS,SPSに相当する高精度(CHA:Channel of High Accuracyなどと呼ばれる)と標準精度(CSA:Chamel of St?dard A?uracy等と呼ばれる)の2レベルのサービスがある(GPSと同様SPSとPPSと呼ばれることもある)。以下ではGPSで使用されているSPS,PPSを用語として使用する。今後も、後に述べる周波数変更以外の基本的内容のシステム変更は無いもようである。GLONASSシステムの仕様については文書により多少異なっているが、GLONASSのSPSの精度はGPSに比較して以下のように示される。
水平精度 GLONASS:60m(99.7%) GPS:100m(95%)
高さ精度 GLONASS:75m(99.7%) GPS:156m(95%)
GLONASS衛星は従来より1機のロケットで3個ずつ打ち上げられてきたが、GPSに較べ衛星寿命が短い。最近打ち上げられたタイプIIcは寿命が3年とされる。改良型の運用衛星GLONASS−Mは2個ずつ打ち上げられ、5年の設計寿命とされる。1995年12月14日3個の衛星が軌道上に打ち上げられ計25個の衛星が軌道上にあった(1個は既衛星と同スロットのため24スロット)。以下にインターネット上データによる最近の衛星状況を示す。図3−3.2.3−1は最近の衛星の健康状態を示す。図3.3.2.3−2に最近の軌道上のGLONASS衛星を示す。

図3.3.2.3−1 最近のGLONASS衛星の健康状態

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図3.3.2.3−2 GLONASS衛星軌道配置

150-2.gif

 

 

 

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